40歳漫画家の胸奥に咲く初恋の花!『ローズ ロージィ ローズフル バッド』――中年の扉をノックする恋と再出発の物語

廊下の窓辺に差し込む午後の日差しに、神原正子はふと立ち止まった。受賞パーティー会場の華やかな照明とはまるで違う、温かな陽光が、長く遠ざかっていた胸の奥をそっと撫でるようだった。彼女の手には一通の招待状。そこに記されたのは「ファブ郎コミックス大賞受賞パーティー」。しかし正子が本当に心を揺らされたのは、壇上で祝福の拍手を浴びる自分でも、華やかな受賞スピーチでもなかった。初めて視線が交わった、東京タワーを背にしたあの人――鷹野怜のクールな横顔だった。

「こんな年齢で、少女漫画家を目指すなんて、どう思う?」
パーティー帰りのタクシーの中、正子はぽつりと漏らす。隣に座った鷹野は少し微笑み、窓外の夜景に視線をやったまま答えた。
「遅すぎることなんてないと思いますよ」

この短いやり取りが、正子の長年閉ざされていた夢の扉を叩いた――というのが、いくえみ綾『ローズ ロージィ ローズフル バッド』の幕開けだ。

ファブ郎がナビゲート!大人の恋と成長をユーモラスに描く仕掛け
正子が連載中のギャグ漫画『ファブ郎』に登場する、見た目はおすもうさん、でも心は繊細なパティシエ・ファブ郎が、物語のツッコミ役として随所に登場。くどいギャグとともに、「またネームが進まないの?」「チャンスは自分で掴むものよ!」と、読者にも正子自身にもそっと背中を押す。コミカルなやり取りの合間に、正子がかつて少女漫画家を目指し挫折した過去や、仕事と家庭の狭間で揺れる心情がさりげなく紡がれる仕掛けは見事。大人だからこそのリアルな後悔や焦りが、ファブ郎の軽妙なツッコミのおかげで肩の力を抜きながら味わえる。

大正浪漫画壇を彷彿とさせる美麗作画と現代ポップスが融合
いくえみ綾氏は長年にわたって大人の恋愛群像を描いてきたが、本作では40代女性の心情をより深く掘り下げている。オフィスの蛍光灯が反射するガラス窓、古書が積まれた自宅スタジオの窓辺、路地裏のネコが通り過ぎるコマ――すべてが細部まで丁寧に描き込まれ、単なる背景ではなく正子の心象風景として胸に迫る。どこか少しだけレトロなトーンの色彩に、現代的なセリフのリズムが絶妙に重なり合う。

原画展&トークイベントで作者と“同世代”の共感が爆発
2025年春、東京・下北沢のギャラリースペースで開催された『ローズ ロージィ』原画展は、ファブ郎のカラー原画から最終話のネームパネルまで約100点を展示。会期中にはいくえみ綾氏本人を迎えたトークイベントが数回行われ、40代以上の女性ファンが会場を埋め尽くした。「正子と同じ年頃で、同じように胸の奥がキュンとしました」「鷹野の一言に背中を押された」――会場は終始、共感の涙と笑いに包まれた。

公式コラボカフェで味わう“ローズティーとバッドショコラ”
原作展に合わせ、近隣カフェとコラボしたメニューも登場。『ローズ ロージィセット』はローズ香るミルクティーと「バッドショコラ」と名付けられた塩キャラメルショコラケーキの組み合わせ。カフェの店内BGMにはいくえみ作品のオリジナルイメージソングが流れ、ファブ郎ぬいぐるみや原作イラストをあしらったコースターが特典として付く。期間中は連日満席が続き、女子会にもデートにも使えると話題沸騰。

限定グッズがファンの心を盗む――スマホリングから香水まで
公式オンラインストアでは、『ローズ ロージィ』オリジナルグッズが続々ラインナップ。

  • ファブ郎スマホリング:掌に馴染むサイズ感と、背を向けたファブ郎の哀愁漂うシルエットが絶妙。
  • ローズ香水「蜜の吐息」:原作者監修の香りは、ほんのり甘く、ほんのり大人の切なさを感じさせる。
  • “文台詩”ブックカバー:レトロな花柄に、フランス語の詩句がプリントされた限定デザイン。

さらに、限定販売された“鷹野怜フィギュア”は、スーツ姿で一冊の漫画原稿を抱えたポーズを再現。ファブ郎の小物としてバッドショコラの包み紙も付属し、マニア垂涎のコレクターズアイテムとして完売必至だった。

試し読みはここから――大人の胸キュンを手軽に体験
まずはスマホやPCから第1巻を無料で試し読みしてみよう。以下の電子書籍サービスでは、会員登録のみで『ローズ ロージィ ローズフル バッド』第1巻をまるごと読める。大人の恋の瑞々しさ、甘酸っぱさ、そして一歩踏み出す勇気を、ぜひ自分の手で確かめてほしい。

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あの夜、正子の胸に灯った小さなときめきが、ページを追うごとに深い愛の炎へと育っていく。煙のように儚く、蜜のように甘い――『ローズ ロージィ ローズフル バッド』が、大人の胸奥に眠る恋心にそっと触れるだろう。

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